全国学力・学習状況調査の結果

令和7年度 全国学力学習状況調査 分析結果 特徴と現状分析


【国語】

 多くの項目で昨年度、一昨年度よりも「知識」や「話すこと」、「書くこと」が定着していることがわかる。国語に関しての関心が高いことが伺える

「書くこと」の数値が昨年度よりは高いものの、全国の平均よりも低い。原因としては、時間のかかる問題に取り組まない、書く内容を読み取れず何を書いてよいかわからない等が予想される。正確に文章や問題を読み、自分の言葉で書くことに苦手意識を持っている生徒が多いのではないかと考える。

 今後の課題は、「書く力」をつけるためには、文を正確に読み取ることが第一歩と考える。授業の中で文章(特に説明文や物語)を正確に読み取る時間を設けていきたい。また分を理解するためには、語彙を増やすことも必要だと考える。漢字練習だけではなく、語句の意味、慣用句、ことわざ等、幅広く言語学習も行っていきたい。

【数学】

「知識・技能」においてはおおむね全国の調査結果の値に近いものになっている反面、「思考・判断・表現」の問題においては、全国平均を下回る結果 になり、基礎的な知識の定着に課題があることがわかった。「数と式」や「関数」の領域の中にある基本用語の理解が不十分な部分があり、その知識を利用した問題に困難を感じている生徒が多い。基礎基本の定着を図るために、授業内での個別最適な学習を行えるように改善を図っていくとともに、学年をまたがった領域のつながりを大切にした授業の展開を心がけていく。

【理科】

「粒子」を柱とする領域は全国の調査結果と近い値であり、実験や学んだことを基に目に見えない事象に対してイメージをすることができる生徒が多くなっていると考える。課題として「地球」を柱とする領域の問題において正答率が低くかったことが挙げられる。その中でも地層についての知識が身についていないと考えられる。地層の分野では岩石の特徴を理解することが大切である。問題演習を繰り返しながら知識の定着を図ることが必要であると考える。

 今後の課題は、知識をつけたうえで思考に持っていくことだと考える。そのために既習事項や日常生活での経験を基に疑問を持ち、課題解決をおこなう授業を心がけていく。また、1~3年の内容に系統性を意識しながら授業を展開していく。

生徒質問調査から

 各教科(国語・数学・理科)の学習意識・関心は、すべての項目で全国値を上回っている。特に、「主体的・対話的で深い学び」については高い数値になっている。この要因としては、各教科で日常の授業の中で生徒が主体となって授業を行い、その中で対話をする活動を行っているからである。授業以外でも学校教育目標である『主体性と共生』の実現に向けて生徒の主体性を意識した活動を多く取り組んでいる。生徒たちからも行事を通して主体性を意識する声掛けが多く出てきている。しかし、こうした取り組みが知識の定着につながっていないことが大きな課題である。また、「学習習慣」においての意識も低いため、家庭学習への取り組みの働きかけが必要である。ICTも有効的に活用して、学力向上・知識の定着につなげていく。

 教科と質問紙のクロス集計から、それぞれの教科だけで学力向上を図るのではなく、教科横断的な取り組みが重要であると考えられる。他教科との結びつきを意識して今後の授業を展開していく。また、授業の取り組みの中で以下のことを実践し、知識の定着・学力向上を図っていく。

  ①疑問をもち解決できる力
  ②仲間に助けてもらう力(分からないと言える)
  ③自ら教える力(教えてと言われたら教える)

令和6年度 全国学力学習状況調査 分析結果 特徴と現状分析

国語

 概ね全国の調査結果の値に近いものになっている。特に「話すこと・聞くこと」の項目では高い数値を示し、日々の授業での話し合い活動や聞き取りの成果が表れている。しかし、知識及び技能に関する「言葉の特徴や使い方に関する事項」が全国平均より低い結果となった。言葉の使い方は今後の生活や学習において基礎になるものなので、丁寧に復習をし、基礎の定着を図っていく。

 

数学

 どの領域においても正答率が低く、数学に対する「知識・技能」「思考・判断・表現」いずれにおいても課題があることがわかった。なかでも、「数と式」の問題に困難を感じている生徒が多い。計算の基礎が知識として定着していないため、他の領域にも影響していると考えられる。また、記述式の問題に困難を感じている生徒も多い。「図形」の領 域は、昨年度よりも向上が見られるため、今後も継続して指導を行っていく。基礎基本の定着を図るために、授業内での個別最適な学習を行えるように改善を図っていく。

 

生徒質問調査から

 授業への関心が非常に高く、前向きに授業に取り組むことができている。規範意識も高く、ルールやマナーを意識して生活している生徒が多い。また、他者との人間関係も大切にすることができ、互いを認め合える関係を築くことができている。そのため、自己有用感も高くなっている。

 一方で、放課後にタブレット機器やスマートフォンを活用して、動画を見たり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用したりしている時間が全国と比較しても長いという結果が見られた。さらに、家庭での学習時間も全国と比較して少ないという課題も見られた。

 授業への関心は非常に高いので、放課後にも継続して学習に臨めるように、体制を整えていく。また、学習会への参加も促し、学力向上に努めていく。