校長より
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令和7年度 卒業証書授与式 校長式辞 R8.3.12
柔らかな春の光が差し込み、体育館は希望に満ちた空気に包まれています。本日ここに、ご来賓の皆様、保護者の皆様のご列席のもと、我孫子中学校第79回卒業証書授与式を挙行できますこと、この上ない喜びです。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんがこの我孫子中学校で過ごした3年間は、決して平坦な道のりばかりではなかったはずです。勉強のことや部活動のことでの悩み、多感な時期における友人関係、家族や先生等、大人との関わり。学校に足が向かなかった日もあったでしょう。様々な経験を経て、今日、皆さんはかくも立派な姿でこの場に臨んでいます。その成長を、本校職員一同、心から称えたいと思います。
保護者の皆様にも、これまでのお子様への深い愛情と本校へのご支援に、心よりお祝いと感謝を申し上げます。おめでとうございます。そして、ありがとうございました。
さて、旅立ちにあたり、卒業生の皆さんに、一つの言葉を伝えます。
「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来。」
カナダの精神科医によるものとされるこの言葉は、重要な示唆を与えてくれます。
私たちは生きていく中で、多くの「変えられないもの」に直面します。過ぎ去ってしまった出来事、つまり「過去」は、どれだけ願っても、書き換えることはできません。また、「他人」の心や行動も、自分の思い通りにコントロールすることは不可能です。皆さんも三年間の中で、「あの時こうすればよかった」「なぜあの人は分かってくれないのか」と、悔やんだり、もどかしさを感じたりしたことがあったでしょう。
「他人」を変えられない私たちはどうすればよいのでしょうか。ここで鍵となるのが、「折り合いをつける」という態度です。「折り合いをつける」というと、ネガティブな妥協のように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
皆さんが経験した体育祭や宿泊学習等、行事の準備や部活動を思い出してください。目標を設定する時や計画・活動の中で、意見の対立や気持ちのすれ違いは必ずありました。その時、皆さんはどうしましたか? 自分の意見を一方的に押し通すのではなく、相手の立場や考えを受け止め、対話により着地点を探るようにしたはずです。このプロセスこそ、「折り合いをつける」ということです。
3年生の皆さんとは11月から校長面接を行いました。「3年間で自分自身成長したところは何ですか?」という質問に、多くの人が「友達との関わり方です」と答えてくれました。「中学校1年生の時は自分が一方的に話して、相手の話を聴かなかったことに気づき、直しました」。「リーダーを体験してみて、様々な考えや自分と違う意見を受け入れる『力』がつきました」。「自分の心を制御すること、相手を不快にしないように考えて話すことで、自分の意見を伝えることができるようになりました」。
このように多くの人が「折り合いをつける」ことができるようになったことを語ってくれました。わかりますね。折り合いをつけるには、「自分を変える」ことが必要です。自分が変われば、相手への接し方が変わり、結果的に関係性が変化することに気づいた人がたくさんいます。
3年前の入学式の時から、私に言われ続けてきた「自律と協働」。自分の感情をコントロールし、意見の違いを乗り越えて目標達成に向けて協力することでした。折り合いをつけることも「自律と協働」の具体的な行動の表れです。皆さんは授業や部活動の中で、行事に向けて、日々の学校生活の中で、少しずつ確実に「自律と協働」の力を身に付けて成長してきました。合唱コンクールに向けて創り上げた美しい歌声は、その結晶でした。
「自分」の他にもう一つの変えられるもの、それは「未来」です。皆さんの前には、真っ白な未来が広がっています。この未来は、今、そして明日からの皆さんの行動、努力、心の持ち方次第で、どんな色にもどんな形にも変わっていきます。いつも順風満帆という訳ではなく、つまずくこともあるでしょう。失敗はつらいことです。しかし、大切なのは、そこから何を学び、次にどう生かすか。それは、変えられない過去に「折り合いをつける」ことでもあります。
未来は予測できませんが、リスクを減らしたり、「より良く」を、目指したりすることはできます。その方法の一つが、人を頼ることです。
3年生の面接で次のように話した人がいます。「自分一人でやっていたが、人を頼れば良いことに気づきました」。「自分は人見知りだったのですが、友達に訊いて解決できるようになりました」。お隣の人を見てください。頼りになる友達です。困った時に相談したように、行事の準備でアイデアを出し合ったように、授業中にわからない問題を尋ねていたように、友達を頼ってください。いろいろ相談した後に自分で決める、それも立派な「自律」です。決断したら、今できることに集中しましょう。一生懸命に取り組む姿勢は、我孫中生の最大の長所です。
「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来。」
私が3年生の皆さんに話すのは、これが最後です。いつも真剣に聴いてくれてありがとう。皆さんはこの3年間で、卒業後の高校や社会で生かすことができる学び、生き方、そして信頼できる友達を得たように思いますが、どうでしょうか? 新しい世界で、皆さんが主体となって働きかけ、友達と共に信頼できる集団、安心できる場所を創っていきませんか?まずは、新しいクラスや部活動などでしょうか。本校では、そういう学習をしてきたこと、私は自負しています。
結びに、皆さんが自分達でより良い未来を創り、自分らしい幸せを見つけられることを、心から願っています。我孫子中で学んだ君たちならできる! 強く信じて、式辞を終わります。
令和8年3月12日
我孫子市立我孫子中学校 校長
鈴木 与志実